久我弘典の作品一覧

タイトルは不安となっているが、恐怖症や強迫症ののほか、PTSDなど幅広く取り上げられており、見た目の通りボリューミーな内容であった。あらゆる場面が想定されており、一つ一つの恐怖や不安の対象の解説はあっさりとしているが、不安階層表の作り方や安全行動のほか、留意すべき点は要点がまとまっていて勉強になる。現実エクスポージャー課題の選択やエクスポージャーの治療原理など、誤解している部分もあったことを痛感した。

PFAの書籍は少ないので、手元に置いておきたい一冊である。すでに本邦でもマニュアルの翻訳がなされており、それと目指すところは一緒のようだが、アプローチの仕方は異なる印象を受けた。

関わり方を一つの事例で段階的に示してくれているので、実践する上でイメージを掴みやすい。さらに、同じ事例のマズイ対応バージョンもあり、注意点を区別しやすい。

本書を実践する上ではやはり、現在出ているマニュアルに基づいた研修をまずは受けておく必要があるだろう。