時岡敬子の作品一覧
「時岡敬子」の「イザベラ・バードの日本紀行 合本版」「イザベラ・バードの日本紀行」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「時岡敬子」の「イザベラ・バードの日本紀行 合本版」「イザベラ・バードの日本紀行」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
『朝鮮紀行』という牧歌的なタイトルからは程遠い、激動の政治の中枢に触れる内容で、驚くほど面白かった。
イザベラ・バードは日本では1878年の東北・北海道の紀行で知られる旅行家/探検家/紀行作家/写真家である。
本書は1894年の日清戦争の直前からその後三年にわたる著者の見聞が綴られている。
「モンゴロイドの特性調査の一環として」行われた旅は、はからずも朝鮮が日清戦争と諸々の内紛・外圧によって変転する様子を克明に追うものとなっている。
辺境の風俗や生活を観察する過酷な調査研究の旅の一方、ジャーナリストのように政治と社会全般の事実を取材し評価する著者の態度と力量に感服した。
1831年生まれの著
Posted by ブクログ
個人的な興味の有無も影響しているかと思いますが、蝦夷の話のあたりは上巻に比べて読みが進まなかった印象です。
京都や伊勢あたりからまた読みやすくなりました。
筆者はこの紀行文を通して、日本が西洋の文化を取り入れる時に、西洋文化の根っこにあるキリスト教を理解しないで取り入れようとする事や、逆に日本の文化を無視してまで西洋文化を取り入れる事に警鐘をならしていると思いました。
日本だけでなく当時の西洋に対して劣っているとされた文化が消えゆく定めであると言う事は、世界的な冒険家だった筆者には十分に理解できていたと思いますし、そう言った観点からもこの紀行文を残したのでしょうか?
日本人が明治維新を迎
Posted by ブクログ
著者の視点を通して、古き日本を巡るタイムトリップができる。こんな貴重な資料が読めるなんて感激だ。また、小難しい単語も少なく読みやすい。イギリス人女性の日本一人旅(通訳の従者はいた)。
1878年、明治時代の日本の田舎と東京。人口は34,358,404人。東洋的壮麗さの枠から外れている。彩色や金箔は寺社でしか見られないし、宮殿も一般住宅も灰色の木材を使っている点で同じ。くすんだ青、茶色、灰色が通常用いられる衣服の色。何もかもが貧弱で迫力がなく、どの町も単調で地味。
飯が不味い。顔も不細工。男は褌だけ。外国人を見た事がないので見物に群がり遠慮がない。寝床には蚤、蚊も多くてやってられない。男尊女
Posted by ブクログ
ずっと昔の日本の姿が、外国人旅行家の女性の目線で書き記されている。
当時の日本という国、そこに生きる人たちに会いにいけたように感じた。
イザベラ・バードが描写する美しい景色がどんなものであったのか、それを同じように見てみたくて、彼女が訪れた場所に行ってみたくなった。
もちろん当時と今では全然違った景色ではあろうけれど、当時から残る建造物や森や川、そういった場所に立ち彼女と同じものを見た時に、「歴史」というものを感じられるだろうと思う。
過去も今も未来も、不変ではないけれどずっと繋がっているんだと。
これを読んでいる間はなんだかタイムスリップしたような、不思議でワクワクした気分になれた。
Posted by ブクログ
江戸から明治の近代に移り行く日本の様子が非常に細かく描写されていることも面白いが、作者なりの日本人観が面白い。
良いか悪いかは別にして、今の日本人にも当てはまる部分は多い。
・信条としての物質主義、宗教に対して無関心、それにも関わらず迷信は信じている。
・親切で勤勉だが誠実でも純粋でもない。
・日本全体の均質性。気候や植生や方言は違えど、建物や植物の栽培方法は変わらずまた社会を取りまとめている礼儀作法は都会も田舎も同じ。
・重大な事を話しているようでどうでも良いことを話しており、むしろ政治や宗教の話しはタブーで、芸術や文化は興味の対象ですらない。