あらすじ
服に命を宿す人。どこか懐かしい町並みに響くミシンの音。祖母の志を受け継いで、その人だけの服、一生添い遂げられる洋服を作り続ける。そんな南洋裁店の店主・市江(いちえ)と、彼女の服を愛してやまない百貨店企画部の藤井(ふじい)。微妙な距離感を保ちながら関わる二人と、服にまつわる人々の思いを描き出す、優しい優しい物語です。
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大人にお勧め
穏やかに芯のある、優しいお話です。
世界観が美しく、仕事に人間関係に悩む心をゆったり癒してくれました。
こんなに素敵な世界観を表現できる方の作品に出会えた事が嬉しいです。
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背筋がピンとなる一冊
服を着ると言うことについて自分を大事にする事でもあるんだと思えた。
主人公の服を通して誰かの人生に寄り添う姿勢が暖かくて、時に寂しくも感じる
時間をゆっくり過ごしたい時に読み返したくなります。
Posted by ブクログ
仕立人は、その人のために服を仕上げる。
おしゃれをするのは誰かのためだったり自分のためだったり。
ファッションに興味がなくても、このお話は服を着ている全ての人に繋がるものだと思いました。
主人公と丸福百貨店の人の関係も気になってきます。
Posted by ブクログ
誰にでも合う量産服を数ヶ月に一回買ったり捨てたりして着ている自分にはこの世界は衝撃的でした・・・そうかこういう服もあるのかぁ 素敵だなぁと。
あと市江さんと藤井さんの距離感たまらんです。
Posted by ブクログ
さらっと読めるけど、何度も読んでしまう味わい深い漫画です。
セリフの無いコマも多く、この表情の意味はなんだろう・・・・なんて考えながら読むと、何度でも楽しめます。
作品の雰囲気がとても素敵で、
主人公の市江さんと藤井さんの微妙な距離感がじわじわ来ます。
一巻は、絵がちょっと硬い感じなのですが、これはこれで結構好きです。
Posted by ブクログ
祖母から受け継いだ南洋裁店で、ひとり服を作る市江。彼女は、人を見て服を作る。
百貨店に勤める藤井は南の服に惚れ込み、もっとたくさん作れるようにしてブランド化をしたらどうかと話を持ってくるが、市江はそれを毅然と断る。
Flauだったかダ・ヴィンチだったかで薦められていて興味を持ったのだが、期待通りだった。
静かに話が進むのだけど、仕事をきちんとこなすプロの姿勢はなんて気持ちがいいのだろう。おとなしそうなビジュアルの市江が、職人らしく頑固で実はちょっと変わっているのもギャップがあっておもしろい。
Posted by ブクログ
漫画喫茶でオススメとして紹介されてたので、手に取った本。
そうじゃなかったら、きっとこの本を手にとることはなかった。
絵も全然好みじゃないし、さくらももこがシリアスもの描いた、みたいな雰囲気の絵。
「黒田硫黄氏は、キャラクターやエロに隷属された漫画界にあって、真にセンス・オブ・ワンダーを持った作家である。」
って大友克洋が黒田硫黄『大王』の帯で書いてたけど、
このお話もそう言いたくなる感じ。
主人公の女性は頑固で筋が通っているようだけど、
人間らしく心が揺れることもあるし、変化だってする。
恋愛要素は急ぎすぎず、非常にゆるやかながら進む気配をにおわす程度。
扇動されて、大量に消費される洋服。
対して、丁寧に作られる少量の洋服。
小さな町の人間関係。変化する時代。
おおげさに惜しむでもなく、かといって諦めでもなく、
自分たちと同じサイズでゆれる感情を、
きちんと考え込まれたエピソードの中で描く。
淡々としているように見えて、実は意外といろんなことが起こる。
どこだったか忘れたけど、えらい涙した場面もあった。
映画になってもいい雰囲気じゃないかなぁと思う、
ちょっと久しぶりに感動した漫画。
こういうの、ふとぶつかることがあるから人生捨てたもんじゃないなぁ。
Posted by ブクログ
好き!こういうの大好きです。淡々としていて静かな雰囲気なんですが、思いやりにあふれているというか。絵もこの作品にあっていると思います。この、黒で塗りつぶされた、一見何を考えてるのかわからない目が好きです!
Posted by ブクログ
装うことのあるべき姿を考えさせられる作品だと思う。
とは言うものの、服の話だけではなく、淡々と静かに話は進み、大きな出来事もないけど、やさしい気分になれるエピソードの数々も楽しい。
服好きを公言する人にはぜひ読んでもらいたい。
ブランドだとか値段で服の価値を決めていませんか?
Posted by ブクログ
本屋で見かけて、中のことは何も知らなかったけど、買った。
絵は繊細な表現。話もいい。これみよがしでなく、ひとつのことに打ち込む人の思いを、ゆっくりと描いてる。
少し涙がでた。
Posted by ブクログ
住宅街の片隅で、昔ながらの洋品店を営む女性の物語。
頑固に、昔ながらの、
一人ひとりのお客様に合った、オーダーメイドの服を提供しています。
「自分の美しさを自覚している人に私の服はひつようないわ」と、
あえて小さなお客さんに密着した服を作り続ける潔さがとても好きです。
物静かのようで結構気が強い、
静かな、大人のツンデレっぷりがまた素敵です。
百貨店に勤務している藤井さんとの
尊敬しているような、友人のような、ライバルのような、
明確に言葉に出来ない微妙な距離感がまた素敵。
ひさびさに出会った!と思える1冊です。
Posted by ブクログ
洋服を仕立てるということ
直すということ
既製品を使い捨てのように着る毎日だけど、自分用に仕立て、それを着続けるような生活に憧れる。
続きも気になる。
Posted by ブクログ
大きな事件も何も起こらない静かな日常の中で、丁寧に描かれる心の動きが印象に残る。
こだわりを持って職人やってる人が主役のストーリー、好きだなぁ。
誇り
仕事への誇り、生き方への誇り。こんなふうに生きてる人がいかどれだけいるだろう。すべての人間関係を理解することができなかった。それほどそぎおとされた静かな世界がそこに広がっている。本当にあったら仕立てをお願いしてみたいお店だ。
Posted by ブクログ
ものを作る人と、量産する側のさらっとしたお話。
『リアルクローズ』で百貨店の働き方を見ていたから、より一層分かって面白かった。
さらっとしてるんだけど、薄っぺらくない。
サイレント映画のよう
台詞も説明もない、絵だけで表現していたりして独特だけど伝わってくる事も多くて、心地よい作品でした。結局どうなったのかはっきりはわからないけどそれもこの作品の良さなのかな。
Posted by ブクログ
こんなふうに丁寧に服を作る人に作ってもらいたいな。でもそういうお店もうないよなぁ。だからこそ憧れる。ものを大事にすることを教えてくれる作品です。
Posted by ブクログ
優しい作品だなと感じる。オーダーメイドという大層なことだけではなく、その人その人の人柄や好みなどに合わせて、仕立てていく様が愛を感じる。大人しく静かな印象の残る作品だけど、しっかりと個性が光っている。
Posted by ブクログ
最近の漫画って、表紙に内容をうかがわせる情報がないものが多い。
もちろん、ジャケットのデザインを壊してしまうからなんだろうけれど・・・
あまり普段漫画に触れていない者にとっては、どう選んでいいか、とまどってしまう。
その意味で、全く知らない作品を買うのは、ほとんどギャンブルに近い感覚だ。
この作品は、まさにギャンブルとして買った。
当たり、と思っていいと思う。
最初は絵が堅く、わずかなストーリーの間に登場人物がたくさん出てきて戸惑うこともあったけれど・・・。
昔ながらの仕立て屋の雰囲気など、レトロな雰囲気がとてもいい。
しみじみと読める、大人向けの佳篇。
Posted by ブクログ
p.14の最後のコマに描かれた、市江の表情が絶妙で繰り返し見入ってしまった。頑なに凝っているのに、その下にあるいくつもの感情を想像させる顔。
全体を通してシンプルなタッチだが、行間を読ませる、雰囲気のある作品。
Posted by ブクログ
ひとりだけでミシンを踏んで、オーダーメイドで人の人生に寄り添う服を創る。洋裁店の2代目のお話
既製品やオートクチュールにない、やさしさと根ざした生活とその中で楽しむ御洒落があります。
裁縫・手芸好きさんなら楽しめる本です。何かをつくりたいと思える。長く大切にして貰えるものを
Posted by ブクログ
市江さんに、私も服を作ってほしい!!
読んだ後にじわじわきます。
今日の夕方に購入したのですが、もう3回も読み直しちゃいました。
裁縫について詳しく・・・、というよりも、服を纏う人に主軸があります。
「あなたが着る服」の「あなた」を大切にしている市江さんと、その市江さんが生み出す服にゾッコンの藤井さん(男性)(百貨店勤務)の、何とも言えない掛け合いや「間」が面白い。藤井さんガンガレw。
日々を綴るような、ゆる~い物語なのですが、
その空間に時折小さなドキっとがあるので嵌っちゃうのかな・・・。
個性的な描写・味のある作画なので好みは分かれるかもしれませんが、
私は好きです。なんだかホッとする絵なんですよねw。
タイトルからデザイナー的・スタイリッシュな漫画を想像しているなら、それとは少し違うかもしれません。
綺麗なデザインを描く漫画ではなく、人と服の繋がりを教えてくれる本だと思うから。
★4に留めたのは、今後を期待して♪
Posted by ブクログ
本屋さんで並んでいるのを見つけて
何とはなしに買ったのだけれど
すごく、すごく、良かった。
繊細な手技と主人公の豪気な性格。
淡々と綴る感じも
物語の空気が全体で出来上がっている
そんな気がした。
(twitterメモ)
2代目の仕立てやさんが主人公で、丁寧な仕事ぶりと着るものへの愛が静かにみなぎっていて、読み応えがある。ゆったりとした時間の流れを感じさせるコマの空間づかいとストーリーのバランスが素晴らしい。自分が持っている服も今以上に大事にしたくなった。
Posted by ブクログ
なんかわからんが好きだー…
絵柄としてはそう特に華やかさがあるわけではないし、お話的にもわくわくしたり、ときめいたりもしないんだけど。
何というか、本当に自分の思うままにものづくりをしている人というのに憧れる。羨ましい。
大衆よりもたった一人の為に、何かモノづくりをしてみくなる。
Posted by ブクログ
気持ちが、しっとりして、スッキリして、優しくなる本です。
表紙がもっとステキだったら、もっともっと色々な人に見てもらえるのに…
2巻を楽しみにしています。
匿名
TVドラマを観ている気分
マンガを読んでいる感じがしません。ドラマを観ている感覚、もっと言えば主人公の市江さんの日常・人生を覗いて観ている様な。
劇的な事は起こらず、落ち着いた物語を描いている。絵柄は、画力の面の含めて好みが分かれる思います。
人間関係に不器用な仕立て屋
祖母が昔営んでいた洋裁店を引き継いだ南市江は評判の仕立て屋である。
祖母の代から懇意にしていたブティックに服を卸す以外は基本彼女の仕事場に直接来た人に対するオーダーしか承らない。
そこに目を付けた百貨店の外商である藤井はなんとか自分が勤務するデパートに彼女の服を並べたいと交渉をするが断られてしまう。
そのさまはまるで職人気質な頑固なじじいという感じだった。
結局藤井が進めようとしたプロジェクトは失敗に終わってしまうが仕立て屋としての彼女の美学に触発された彼は自ら希望して部署を異動する。
その後も市江の仕事場に顔を出す藤井はいろんな人が彼女や彼女の祖母の服を着て、中には子から孫へと服が引き継がれていくのを見る。
そういうなかで生まれたのがキレイでおしゃれな服を仕立ててもらってもなかなか着ていく場所のないなかでおしゃれをして夫婦や恋人で参加するパーティーなどの文化が出来ていった。
そのパーティーを見ることで彼女や彼女の祖母が作ったドレスを古臭いと思っていた若い世代にもその魅力が伝わるのだった。
なにかを極める人とその人物によってもたらされる縁がよく描けている作品だと思った。
Posted by ブクログ
1巻無料だったので読みました。最初は、若干絵に抵抗があったのだけど、読み進めていくうちに全然気にならなく、というよりむしろイイ!と思えました。続きが気になる~。
Posted by ブクログ
先輩たってのオススメでお借りしてきた漫画です。
今時の漫画と違って、四角いコマ割でした。私はこういうほうが好きなので、とても読みやすい。ただ、人物登場させる時の、見てる方向?が結構入れ替わるので、あれ、これ位置関係どうなんだ?とわかりにくくなります(この前授業で習ったところなので余計に意識して読んでしまう^^;)
ストーリーはなかなか。
頑固だけど、徐々に藤井さんに溶かされていくんだろうなー市江さん。
Posted by ブクログ
主人公は、
一生連れそうことのできる服を
生み出す、
仕立屋の二代目。
絵が馴染めず、
なかなか開かなかったのだが、
台詞が洒落ている。
職人気質なのか、
主人公の言葉がキツくて
こういう女性は少し苦手。
対して、
主人公の仕事に惚れ込んでいる
大手百貨店の企画室の藤井が、
飄々として、
たいへん素敵男子。
レトロな洋服
一夜の夜会
アンティークのミシン
オーダーメイドのドレス
古い着物…
全体的にアンニュイで、
ノスタルジックな空気が流れる。
主人公は相手にしないのに、
仕事も、性格も、生き方も、夢も、
まるごと受け入れて、
さらには全面的に支えてくれる男性が
現れるあたりが
少女漫画っぽい要素だな。